ウォーレン・バフェットの書簡から学ぶ5つのIRの教訓

投稿日: 2016年4月1日

ウォーレン・バフェットの書簡から学ぶ5つのIRの教訓

2016年3月9日

ローリー・ハヴロック執筆.

ウォーレン・バフェットが投資家に充てた年次書簡に学ぶIR 担当役員(IRO)にとって重要な教訓

大口投資家ウォーレン・バフェットは、バークシャー・ハサウェイの投資家に充てた年次書簡の中で、ウイットとユーモアに富んだいくつかの貴重な洞察を提示している。今年の書簡では、持株会社バークシャー・ハサウェイの2015年の業績を総括するとともに、向こう12か月の世界の資本市場を決定づける要因を検証している。

書簡は、未来のバフェットたちに自身の投資スタイルを確立するためのヒントを示すことを意図したものだが、特に、投資家アウトリーチや株主の処遇など、上場企業に関する豊富な情報を提供している。

2015年の書簡から、特に有用と思われる5つの教訓を紹介する。

1. 気候変動は管理可能であるバークシャー・ハサウェイの中でも特に収益性の高い部門のひとつ、保険部門について言及しながら、バフェット氏は、驚くことに、気候変動が引き起こす潜在的な打撃は、子会社の財務の健全性を損なわず、むしろ強化すると主張している。

「気候変動によって夜も眠れないということは、一市民として理解できるかと思います。しかし、大手保険会社の株主の一人として考えるときには、気候変動を「懸念リスト」に載ってはならないということがお分かりでしょう」とバフェット氏は続ける。

2. 適正な開示が鍵を握るバークシャー・ハサウェイでは、金曜あるいは土曜の早い時間に財務データを公表し、土曜に年次総会を開催している。「バフェット氏はパートナーのチャーリー・マンガー氏とともに、全ステークホルダーが情報を同時に受け取り、それを考慮した上で取引ができるようにしなければならない」と考えていることを株主は思い起こさせられる。

バフェット氏は「手段の限定された」ステークホルダーである投資家やアナリストとの面談には応じない。(スケジュールが会議で埋まっているIR担当役員もおそらく同様の態度を取るだろう)。

3. ウェブキャストは有用であるバークシャー・ハサウェイの年次総会、そして投資家やアナリストとの質疑応答はYahoo!のウェブキャストを使って今年初めて行われる。その理由としてバフェット氏は二点を挙げる。定員を気にせず多くの人が参加できる。実際、昨年の総会には40,000人が参加した。これにより、バフェット氏やマンガー氏は「船を漕ぐ」姿を投資家に見せずに済む。

4. 支配持分はそれほど重要ではないバフェット氏は、ウッディ・アレンの有名な台詞「バイセクシャルは土曜の夜にデートの相手を見つけるチャンスが二倍になる」を引用しながら、「業績がまずまずの企業」の支配持分を保有するよりも、健全な経営が行われている小規模企業の非支配持分を保有する方が好ましいという。同じように、いやまったく同じというわけではないが、企業運営、またはパッシブな投資のいずれかを選択できるということは、バークシャー・ハサウェイの潤沢な資金を分別よく使う機会が二倍になることを意味する」と述べている。

5. 米国経済は極めて好調であるバフェット氏は、米大統領選挙の候補者が有権者に向かって何を言おうと、米国民は祖先よりも少ない労働で多くの収入を手にし、かつてない裕福な暮らしを送っているという。「この240年間というもの、米国に逆張りするのはひどい間違いであった。今もその時ではない。商業とイノベーションという米国の金のガチョウはさらに多くの卵を産み続けるだろう」