「日本版スチュワードシップ・コード」発表される。 

投稿日: 2014年4月10日

機関投資家が適切な受託者責任を果たすための諸原則

2014年2月26日に金融庁の有識者会議が「日本版スチュワードシップ・コード」を発表いたしました。アベノミクスの成長戦略の一貫として、日本企業の持続的成長を投資家との対話を通じて実現していくためのものです。「日本版スチュワードシップ・コード」自体は、機関投資家が企業との建設的な対話を行ない適切に受託責任を果たすための原則であり、企業が年金・保険資金等のお金を運用する機関投資家とのIRをベースとしたコミュニケーションにより、企業価値を拡大することを目的としたものです。

スチュワードシップ・コードは、リーマンショック以降の金融危機の反省をもとに、英国で制定された機関投資家の行動規範です。継続的なリターンを追求する運用機関に対し、投資先企業に対し、対話を通じて継続的な企業価値の拡大に貢献をもたらすという概念を基に2010年に英国で制定されました。それを踏まえ、日本でも2013年より有識者の意見を取りまとめ、今回金融庁より日本版スチュワードシップ・コードが発表されました。

企業側の責任と機関投資家の責任は「車の両輪」

現在我が国の置かれている状況は、世界中で最も先行する高齢化社会を迎え、GDP比の国家債務は最大規模でありこの解決に向けた取り組みが最重要課題であります。今後更に、年金受給者が増加する中で、年金資金等の運用は低金利・安全資産の国債運用のみでは賄えず、企業成長と株式価値の拡大による株式資産での運用拡大が必然となっております。そのためには、日本の上場企業が、継続的に業績を向上し、しっかりとしたコーポレートガバナンスのもとで企業価値を拡大していくことが必要となります。機関投資家の運用者としての受託責任、企業経営者の株主からの経営受託責任をベストプラクイティスで実現することが、日本社会全体の早急に求められている状況です。スチュワードシップ・コードでも、企業の責任と機関投資家の責任は「車の両輪」と表現されています。

日本企業の株式保有のトップは外国人投資家です。外国人投資家の中には、ヘッジファンド、年金、投資信託、ソブリンファンド等の様々な投資家が存在します。こうした状況の下で企業経営者がしっかりと、中・長期投資家とIRを促進し、投資家の意見に耳を傾け、将来の事業戦略の方向性を構築して、企業価値の継続的な成長を追求するという、IRマネジメントとしては基本的なスタンスを改めて実践・実現するステージに来ております。

SGIM(戦略的グローバルIR協会)は、機関投資家と企業の間に立ち、中立的な立場でIR活動自体が、企業価値拡大の促進となり、投資家のリターンの拡大を促進する為の、啓蒙・支援団体として活動してまいります。

SGIM 代表理事 甲斐昌樹

<ご参照>
日本版スチュワードシップ・コード(金融庁HP)