J-REIT(不動産投資信託)市場のIRについて

投稿日: 2014年4月10日

時価総額合計7兆円を超えるJ-REIT市場とは

REITとはReal Estate Investment Trustの略であり不動産投資信託のことです。世界的にみるとアメリカにおいて1960年に初めて組成されましたが、その後他の国においても同様の動きが拡がり、特に2000年代に入り急速に普及が進み現在に至っています。我が国においてJ-REITと呼ばれる不動産投資信託市場が東京証券取引所に開設されたのは2001年3月のことです。当該市場への初の上場は2001年9月10日の日本ビルファンド投資法人とジャパンリアルエステイト投資法人の2つのJ-REITです。それらの上場の翌日に起こった同時多発テロや、2008年のいわゆるリーマンショックの影響を受けて市場の成長が停滞した時期もありましたが、現在の上場銘柄数は44、時価総額合計は7兆円を超える規模にまで成長しました。しかし、その半分近い銘柄の時価総額は1,000億円以下に留まっています。(数字は2014年3月末現在)

J-REITのIRは活発でクオリティが高い

J-REIT市場の半分近い銘柄の時価総額が1,000億円以下であるという規模感に鑑みると、総じて各J-REITのIR活動は活発であるということができます。決算発表に際しては多くのJ-REITがマスコミを前にした記者会見を開き、そこからあまり間隔を空けることなくアナリストや機関投資家を対象とした決算説明会を開催します。また、そこで用いる資料は非常に時間をかけて作りこまれ、その開示は経営方針から詳細数字に至るまで多岐にわたっています。その資料は、各J-REITのウェブサイトにおいて速やかにかつ継続的に開示されていますのでぜひご覧ください。そのクオリティの高さは目を引くことでしょう。

J-REITの英文開示と海外IR

また、J-REITは英文開示も積極的です。ほぼ全てのJ-REITが英文ウェブサイトも持ち、和文とほぼ同レベルの開示を行っています。プレスリリースについても、その多くが英文に翻訳され、外国人投資家やアナリストの便宜が図られています。東京証券取引所等に上場する他の事業会社と比べてもその充実度は高いと言えます。

その理由の1つとして考えられるのは、外国人投資家やアナリストからの注目度の高さです。一定数のJ-REITが、グローバル株式市場やグローバルREITを対象とするファンドに組み入れられており、概して外国人による所有投資口比率も高い水準にあります。その結果として必然的に常に外国人投資家やアナリストの目に晒されている状態になっています。海外からの電話やメールによる問い合わせも日常的にあり、外国人投資家とのミーティングやカンファレンスに参加するために海外に出向くJ-REITも多く存在しています。その結果として、J-REIT各社の英文開示と海外IRのレベルは比較的高い水準に達しているものと思われます。

巨大企業のような潤沢な資金や人的資源を持たなくとも、充分に外国人投資家のニーズに応え得るのだという事例になるのではないでしょうか。

 

SGIM 事務局 ディレクター 三浦慎一郎